先週末に余市へ行った際、「セラーがほぼ完成した」との話を聞きつけ、えこふぁーむからも近いモンガク谷ワイナリーへお邪魔してきました。
黄色い岩が積まれた厳かなアプローチ、札幌軟石とコンクリート造りのセラー、採光用の窓のアイアンのフェンス、こだわりが...凄い!(と、収穫の時に牧野さんからも聞いてはいましたが)圧巻です。ここに元々あった古い建物のリノベーションではなく、浦臼に90年前に建造された呉服屋さんの蔵を解体し移築、オーナーの木原さん自ら設計し、敷地に一から建て直した建物だそう。半分土中に埋まっているような造りで、入り口は母屋側(丘の上)にあり、中に入るとピカピカのスロヴェニア製プレス機が。搾ったジュースを階下のタンク中へ、重力を使って充填する流れです。
現在栽培している品種は、ピノ・ノワール、ピノタージュ、ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・グリ、ピノ・ブラン。10Rでの研修、委託醸造を経て、今年から自社畑の黒・白品種を混醸して作るフィールドブレンドの白ワインを仕込みます。
作付面積はピノ・ノワールが全体の45%。黒ブドウが多いのは、ゆくゆくは瓶内二次発酵のスパークリングも作って行きたいのでシャンパーニュなどで使われる品種を意識しているとのことで、そう聞くと白品種もスパークリングっぽさがあるチョイスです。ピノタージュは南アフリカで栽培されるピノ・ノワールとサンソーの交配種ですが、北海道でどこまでできるか?という実験的な思いもあり育てていくそう。
何にせよ稼働、醸造初年度なので、予想外の状況に備えてあらゆる対策を練っている様子です。タンク内での酸化のリスクを減らすために特注の落し蓋を準備、場合によってはタンク内の落し蓋の上側の空気が溜まるエリアに不活性ガスも充填出来るよう工夫されていました。天然酵母が思うように活動し始めなかった場合のブースターとして、早めに収穫したブドウから酒種も準備するそう。床暖もブロックごとに調整可能で、空気の流れる方向を切り替えできる備えもOKです。全てを自分でやる初の醸造、完成したばかりで設備を使いこなせるか不安もあるようですが、お話を聞いているだけでも備えが完璧過ぎて「絶対に大丈夫」としか思えませんよ...!
モンガク谷では、ブドウ栽培&ワイン醸造の他にも、農業体験や、先々に叶えば循環型の放牧もやってみたい気持ちがあるそうで、お子さんたちが大きくなった頃には宿泊もできるようになるかもしれません。
この日は日没も近く、台風は逸れたものの小雨も降り始め、古墳や遺跡、パワースポットも多々あるという畑には立ち寄らずにモンガク谷を後にしました。今村は7月の最高なお天気の日に畑や古墳にも案内してもらい、素晴らしく美しい景色に感銘を受けたそう。パワースポットでは何も感じられなかったらしく...。
余市の登地区にある有機農園「えこふぁーむ」へ、ジュース用ぶどうの収穫お手伝いに行ってきました。お取引は数年前からあったものの、お邪魔するタイミングを逃し続け、この日が初訪問に。
台風の予報でしたが曇ってはいるものの雨は降らず、午前中は半袖でもOKな気温で、札幌やニセコ方面から集まったちびっこ多数含む40名弱のお手伝いメンバーと共に、ワイルドな成り方をしている露路物とハウスのキャンベルを収穫しました。
お昼にはまかないの野菜たっぷりカレーをご馳走になり、帰りには野菜とぶどうのお土産も貰って帰宅。今日はゆっくりお話しを聞けませんでしたが、草むらに突然かぼちゃが植わっていたり、想像以上に自然のまんまの畑でびっくり〜。
7日(土)、8日(月祝)の二日間も、雨天決行(雨天の場合はハウスで作業)で収穫を行うそうなので、ご都合の合う方はぜひご参加ください。※えこふぁーむ牧野さんまで要予約
円山屋でも販売している無添加ぶどうジュースですが、2017年ものは品種ミックスがまだ在庫があります。キャンベルアーリーは今週収穫したぶどうがジュースになり、年内には2018年ものがリリースになるのではないかと思いますのでお楽しみに~!
余市町登町モンガク谷と呼ばれる地区に新たなるワイナリーが誕生しました。
2012年に入植『余市のぼりんファーム』として自然な葡萄栽培を実践している木原 茂明さんです。
全く異業種からの就農ですが、その志、感性、エコ意識の高さは自然な生産者になるべくしてなったという印象。自分で出来ることは自分で賄う、ご自宅もワイナリーも全てがセルフビルドなのだとか。
ご自宅の見事な柱は近所に植わっていた樹齢の古いタモの木を材料に、ワイナリーや自宅周辺の石垣は畑を掘って出てきたものなのだそう。畑を掘ると色々な種類の石が出てくるそうで、何と縄文時代の黒曜石で出来た鏃も出土するそうです。
隣の赤井川村は黒曜石の原産地、木原さんの所有する畑の頂上には太古の時代に作られたストーンサークルの遺跡が。そう、縄文時代の人々は赤井川の黒曜石で鏃を作り、このストーンサークル(祭壇)に装飾をしていたのかもしれません。古(いにしえ)の時代から、このモンガク谷は今でいうパワースポット、当時の祭祀だった証だと思います。
余市の町が一望出来る素晴らしいロケーション。左の木々の向こう側にストーンサークル跡が。
登町でも最南端にあるモンガク谷ワイナリー、他のワイナリーが標高50m前後であるのに対しここは標高140m。その高低差以上に気温、霧、積雪量さえもが如実に違うのだとか。美しい酸が特徴のワインは、こうしたミクロクリマがもたらす恩恵と言えるでしょう。
2018年は春の長雨による影響で花ぶるいや灰色かび病がかつてないほど深刻な状況となりました。収量は7割減を覚悟していると語る木原さん。もし自分が同じ立場だったとしたら、きっと立ち直れないかも・・。自然と対峙することの大変さが心の奥にズシリと響きました。
90年前に建造された呉服屋さんの蔵を解体し浦臼町から移築したワイナリー(札幌軟石)は10月から始動予定です。2017年ヴィンテージはもうすぐ瓶詰めとのこと。リリースが待ち遠しい!!
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