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NEWS/お知らせ

2018.12.26

「モンガク谷 2017年」ついにリリース!余市モンガク谷ワイナリーへ

建設中の高速道路を「遠い先のいつか、便利になるな...」と、よく調べもしないで漠然と認識していましたが、12月9日に札樽自動車道の「余市インターチェンジ」が開通しました。小樽でソフトクリームを食べたり、忍路でパンを買ったりする楽しい寄り道は出来なくとも、札幌にある円山屋の本拠地周辺からは40分ほどで余市の登エリアへ到着できます、早い。出入口が登町にあるのも、我々にとっては大変便利です。「税金払ってて良かったァ~」という滅多に湧き上がることのない気持ちに。

選定作業も終え、2018年の畑仕事は終了したモンガク谷ワイナリーまで、リリースとなったワインを引き取りがてらお話を伺いに行ってきました。

自社畑のブドウ100%、10Rでの醸造を経てリリースとなった「モンガク谷 2017年」。ピノ・ノワール主体でソーヴィニヨン、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、シャルドネ、ピノ・ブランなどのブドウを混醸した白ワインで、モンガク谷のフラッグシップとなるキュヴェです。

生産本数約5,000本のうち1,000本を出荷し終えた所というセラーでは、残りのラベルの貼られていないボトルが、蝋封、ラベル貼りの作業を待っている状況です。蝋封のカラーは、ボトルやラベルの色合いと合わせてこのダークブルーに決めたそう。そんなことを「ああでもないこうでもないと、家族で考えるのも楽しい」と木原さん。ラベルは娘さんの描いた水彩画をベースに作成されたもの。

▲溶かした蝋で、1本づつコーティング。

 

 

 

▲蝋の配合ブレンドレシピが。微妙な色合いもブレンドすることで作成可能。

▲溶かす前の蝋

 

▲10Rから借りたラベル貼り機。機械とは言えど1本づつセットしラベルを貼ります。

ワインが瓶詰めされ、製品のワインとなるまでの間の作業を目にする機会が滅多にないので、小さいドメーヌではこのような作業を「全て手作業」で行われていることを目の当たりに。反復作業や緻密な工程が得意な方ではないので自分だったら辛くなって暴れたり逃げたりしそうですが、木原さんは細やかな作業を丁寧にこなし、無駄のない流れで出荷の手配を進めています。「全てをシンプルにしてきたい」という理念が、細かい部分にも行きわたっています。

▲左)ほぼ発酵終盤のシャルドネ主体となる新キュヴェ2018年、右)まだアルコール発酵途中のモンガク谷2018年

セラーが完成し、栽培、醸造共に100%自分たちでの仕事となった2018年は、最終的に収量が70%減という余市エリアでも低い収穫率となったそう。1,100Lタンクの2つだけがワインで埋まっていました。

▲左)ほぼ発酵終盤のシャルドネ主体の新キュヴェ、右)モンガク谷2018年はまだアルコール発酵中

「酸や苦みの要素を大事にしている」という通り、まだまだ途上の段階でもピシッとした心地よい酸味と、黒ブドウも混醸されいているのもあり程よいボリューム感とコクが。ブドウの健全さ、セラーの清潔さ、工程の丁寧さなども、液体から伝わります。リリース第2弾となるシャルドネ主体の新キュヴェは、このまま瓶詰めして二次発酵が起これば美味しいシャンパーニュになりそうな、要素のメリハリのある上質な雰囲気で、これまたリリースが待ち遠しい!...のですが、大幅な収量減となったため、熟成を経て製品のワインとなるのは2つのキュヴェを合わせて2,000本ほどの見込みです。

小さいボンボンヌに2瓶あるものは、2018年に収穫したピノ・タージュの試作ワイン。グラスに注ぐと淡いピンク色、香りがとてもアロマティックでふくよかなタイプの辛口になる途中といった様子で、赤ワインのピノ・タージュからは想像しづらいやわらかさ。ピノ・タージュ主体のキュヴェを第3段のワインにと考え中で、昨年も試作してみたものの望まない形で酸化、微発泡となり、今年も再度試作中。自根のピノ・タージュが思うように収穫出来ず、接ぎ木のブドウ樹区画の方が糖度も上がり良いブドウが採れたようです。来年は、何故そうなるのか?という部分を探りながら、いろいろな手立てを考え中のようです。ピノ・タージュが畑全体の18%ほど植わっているので、望ましい収穫があればモンガク谷のワインの要素として存在感が増して行きそうです。

「この6~7年間土作りを行ってきて、これからも手探りには変わらない」と木原さん。いろいろ調べ試してきた土作り、ある日「ミミズが重要なのでは」と思い立ち、以降はミミズを見つけては畑に放し、ミミズに土作りをしてもらうという方法を試しているそう。

「日本の畑の原点は田んぼなのでは?」という仮説にも基づき、稲わらを畑に撒くこともしています。納豆菌は稲わらの中で良い働きをするのと同じく、日本の風土には稲わらが合うのでは?という考えです。土表面をカバーする役割や、稲わらを積んでおくとミミズが来て団粒(フン)だらけになり天然のたい肥が得られるので、ミミズも集まり良いことづくめ、天然のものなので土壌への影響もゆるやかで望ましいといった利点が。

「ミミズが大量発生するタイミングに規則性があるのではないか?」と去年はデータを取り、「大潮(満月)が関係するのでは?」と思い当たったそう。満月付近の雨上がりはチャンスなので、バケツと針金を手にミミズを採取、「ミミズが(土作りの)先生」という印象的な言葉も。健康な土壌の生態系には虫も大事という、有益な虫には働いてもらうという考え方を実験&実践中です。

害獣の対策では「蛇や抜け殻を見つけたら畑に持っていく」ことで、ウサギへの対処のひとつに。とある年100本ものブドウ樹がウサギの被害に遭い考察を巡らせたところ、番犬のアイヌ犬"ナラ"を迎え入れたタイミングだったようで、犬がいることでキツネが来なくなり→キツネがいないことでウサギが来た→ブドウ樹の大幅被害、という生態系の変化が原因では?という結論に。番犬は今後も一緒に暮らすので、今度はウサギの生態を調べると、一定のパターンで行動するようなので、行動経路に簡単なワナを仕掛けたら捕獲できるのでは?と対策を考え中。電流ネットを越えてしまうため、網の張り方で罠のようにして捕獲できないか?など他のプランもあります。「生態系というものが、全然わからない!」と言いつつも、日々理解に励む木原ファミリー、また新しい発見があったら教えて欲しいです、先生!

ワインの販路もいくつかのチャネルを考えたいので、オンラインショップでの直売や、今すぐではなくともセラーでの通信販売も考えている様子。お子さんたちに社会経験で直売所でアルバイトさせてみようかな?なんてことも話に出ていました。家族経営のドメーヌとして出来ることを、自分たちの手でやっていくことを大事にされています。

▲家族とはじゃれ合い、害獣(円山屋)には鋭い眼光でキッチリと吠える優秀な番犬ナラ。

「モンガク谷 」初リリースのタイミングで円山屋もお取引が叶ったので、販売方法、時期は各ショップから改めてご案内させて頂きます。楽しみにお待ちくださ~い!

2018.10.11

「セラーがほぼ完成」余市、モンガク谷ワイナリーへ

先週末に余市へ行った際、「セラーがほぼ完成した」との話を聞きつけ、えこふぁーむからも近いモンガク谷ワイナリーへお邪魔してきました。

 

黄色い岩が積まれた厳かなアプローチ、札幌軟石とコンクリート造りのセラー、採光用の窓のアイアンのフェンス、こだわりが...凄い!(と、収穫の時に牧野さんからも聞いてはいましたが)圧巻です。ここに元々あった古い建物のリノベーションではなく、浦臼に90年前に建造された呉服屋さんの蔵を解体し移築、オーナーの木原さん自ら設計し、敷地に一から建て直した建物だそう。半分土中に埋まっているような造りで、入り口は母屋側(丘の上)にあり、中に入るとピカピカのスロヴェニア製プレス機が。搾ったジュースを階下のタンク中へ、重力を使って充填する流れです。

 

現在栽培している品種は、ピノ・ノワール、ピノタージュ、ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・グリ、ピノ・ブラン。10Rでの研修、委託醸造を経て、今年から自社畑の黒・白品種を混醸して作るフィールドブレンドの白ワインを仕込みます。

作付面積はピノ・ノワールが全体の45%。黒ブドウが多いのは、ゆくゆくは瓶内二次発酵のスパークリングも作って行きたいのでシャンパーニュなどで使われる品種を意識しているとのことで、そう聞くと白品種もスパークリングっぽさがあるチョイスです。ピノタージュは南アフリカで栽培されるピノ・ノワールとサンソーの交配種ですが、北海道でどこまでできるか?という実験的な思いもあり育てていくそう。

何にせよ稼働、醸造初年度なので、予想外の状況に備えてあらゆる対策を練っている様子です。タンク内での酸化のリスクを減らすために特注の落し蓋を準備、場合によってはタンク内の落し蓋の上側の空気が溜まるエリアに不活性ガスも充填出来るよう工夫されていました。天然酵母が思うように活動し始めなかった場合のブースターとして、早めに収穫したブドウから酒種も準備するそう。床暖もブロックごとに調整可能で、空気の流れる方向を切り替えできる備えもOKです。全てを自分でやる初の醸造、完成したばかりで設備を使いこなせるか不安もあるようですが、お話を聞いているだけでも備えが完璧過ぎて「絶対に大丈夫」としか思えませんよ...!

モンガク谷では、ブドウ栽培&ワイン醸造の他にも、農業体験や、先々に叶えば循環型の放牧もやってみたい気持ちがあるそうで、お子さんたちが大きくなった頃には宿泊もできるようになるかもしれません。

この日は日没も近く、台風は逸れたものの小雨も降り始め、古墳や遺跡、パワースポットも多々あるという畑には立ち寄らずにモンガク谷を後にしました。今村は7月の最高なお天気の日に畑や古墳にも案内してもらい、素晴らしく美しい景色に感銘を受けたそう。パワースポットでは何も感じられなかったらしく...。

2018.10.11

余市、有機農園「えこふぁーむ」収穫祭へ参加しました

余市の登地区にある有機農園「えこふぁーむ」へ、ジュース用ぶどうの収穫お手伝いに行ってきました。お取引は数年前からあったものの、お邪魔するタイミングを逃し続け、この日が初訪問に。

台風の予報でしたが曇ってはいるものの雨は降らず、午前中は半袖でもOKな気温で、札幌やニセコ方面から集まったちびっこ多数含む40名弱のお手伝いメンバーと共に、ワイルドな成り方をしている露路物とハウスのキャンベルを収穫しました。

お昼にはまかないの野菜たっぷりカレーをご馳走になり、帰りには野菜とぶどうのお土産も貰って帰宅。今日はゆっくりお話しを聞けませんでしたが、草むらに突然かぼちゃが植わっていたり、想像以上に自然のまんまの畑でびっくり〜。

7日(土)、8日(月祝)の二日間も、雨天決行(雨天の場合はハウスで作業)で収穫を行うそうなので、ご都合の合う方はぜひご参加ください。※えこふぁーむ牧野さんまで要予約

円山屋でも販売している無添加ぶどうジュースですが、2017年ものは品種ミックスがまだ在庫があります。キャンベルアーリーは今週収穫したぶどうがジュースになり、年内には2018年ものがリリースになるのではないかと思いますのでお楽しみに~!

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